今日学んだこと#
NAND型RSフリップフロップの仕組みと動作原理を学びました。2つのNANDゲートをたすきがけに接続することで、1ビットの情報を記憶・保持できる基本的な順序回路です。
学習内容#
NAND型RSフリップフロップとは#
NANDゲートを2つたすきがけすることで構成される論理回路です。
- デジタル回路における基本的な記憶素子の一つ
- 1ビットの情報(0か1)を記憶し、保持することが可能
- RSフリップフロップの「RS」は、それぞれ**セット(Set)とリセット(Reset)**の頭文字に由来
┌───────┐
S ──────┤ │
│ NAND ├──┬─────── Q
┌───┤ │ │
│ └───────┘ │
│ │
│ ┌───────┐ │
└───┤ ├──┘
│ NAND │
┌───┤ ├──────── Q̄
│ └───────┘
│
R ──┘
なぜ記憶できるのか#
NAND型RSフリップフロップが記憶できる理由は、フィードバック構造にあります。
- 各NANDゲートの出力が、もう一方のNANDゲートの入力に接続されている
- この相互接続により、一度セットまたはリセットされた状態が自己保持される
- 入力S、Rがともに「1」になっても、出力は直前の状態を維持し続ける
つまり、2つのNANDゲートが互いに「支え合う」ことで、電源が供給されている限り状態を保持できます。
NAND型RSフリップフロップの特徴#
2つの出力(QとQ̄)は互いに逆の値になる
- S=R=0の禁止状態を除き、QとQ̄は必ず互いに逆の値になります。
S=0,R=1でセット(Q=1)
- 入力Sに「0」、Rに「1」が入力されると、出力Qは「1」にセットされます。
- Sが入力されるNANDゲートは、入力に「0」があるため出力(Q)が必ず「1」になります。
- その結果、もう一方のNANDゲートの入力は両方とも「1」となり、出力(Q̄)は「0」になります。
S=1,R=0でリセット(Q=0)
- 入力Sに「1」、Rに「0」が入力されると、出力Qは「0」にリセットされます。
- Rが入力されるNANDゲートの出力(Q̄)が「1」になり、その結果、もう一方のNANDゲートの出力(Q)が「0」になります。
S=R=1で状態保持
- 入力SとRがともに「1」の場合、フリップフロップは直前の出力状態を保持します。
- 例えば、Qが「1」であれば「1」のまま、Qが「0」であれば「0」のままとなります。
- これは、NANDゲートの出力がもう一方の入力に影響を与え合い、安定した状態を維持するためです。
真理値表#
| S | R | Qn+1 | Q̄n+1 | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| 0 | 0 | 1 | 1 | 禁止 |
| 0 | 1 | 1 | 0 | セット |
| 1 | 0 | 0 | 1 | リセット |
| 1 | 1 | Qn | Q̄n | 保持 |
(Qnは現在の状態、Qn+1は次の状態を示します)
まとめ#
- NAND型RSフリップフロップは、2つのNANDゲートをたすきがけに接続した記憶素子
- S=0, R=1 で出力Qを「1」にセット
- S=1, R=0 で出力Qを「0」にリセット
- S=R=1 で直前の状態を保持
- S=R=0 は禁止状態(両出力が「1」になり、QとQ̄が逆にならない。さらに次に両入力が同時に「1」に戻ると出力が不定になる)